そして召し上がれ。本をしゃぶりつくすように。

新書だけが本ではない 古今東西誰かに見つかるのを待っている本がある

【文例】水

水 幻想的な 

彼女は立ち上がって、幻燈のところへ行き、いったん明かりを吹き消した。 それから何か細工をして、もう一度明かりを灯した。(1)水面のように揺れる 青い光が座敷に広がって、僕は思わず膝を立てた。幻燈のしかけで、まるで 水が座敷を浸したように見えた。 ナツメさんはその青白い水明かりの中を座敷の奥へ歩いて行って、となり へ通じる襖を開いた。
(2)幻でない水の匂いが鼻先をかすめた。

森見登美彦 きつねのはなし

⑴で「水の幻」を表現し、そこには水などあるはずがない、と読者に暗示させた後に⑵で本物の水の存在を際立たせている